とくなが久志奮闘録

日々の生活や仕事のなかで考えたことを、ふんわりと書き連ねていきます。

干された「ウーマンラッシュアワー」 消えていくのか?

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ウーマンラッシュアワーの村本のツィッター

年末年始のネタ番組まったく呼ばれていない。」「あそこまでバズったネタなのに。話題にしているのは忖度しない新聞社、SNS、他局のモーニングショーのみ。あとはスルー。あの程度のネタすら出来ないのが地上波ということを今回、可視化した。これがおれがやりたかったもうひとつの目的」と、ウーマンラッシュアワーの村本大輔は昨年12月31日にツィッターに書いています。

 

年末年始は各局とも特番(特別番組)を競って組んでいますが、その中でもお笑い系特番は多くみられました。私も家族でよくみていましたが、ウーマンラッシュアワーがまったくといっていいほど出演していないことに気づきました。

 

私がみている番組にたまたま出ていなかっただけかとも思いましたが、もしかすると、あの『THE MANZAI』での漫才ネタで干されたのかと考え、調べてみたら上記の村本のツィッター。まさに干されていたのでした!

ネタ的には世界で普通

ウーマンラッシュアワーの村本大輔といえば、これ以前にも『朝まで生テレビ』に出演して、「安倍さんは戦争の臭いがプンプンする人」と物怖じすることなく発言したりしていましたが、『THE MANZAI』ではこうした政治的発言を漫才のネタとして披露したわけです。

 

時の権力(者)をユーモラスに風刺することは、芸の一つのジャンルとして立派に存在します。というか、世界では決して珍しいわけではありません。普通のことです。

 

アメリカのトランプ大統領はコメディアンの格好のネタですし、イギリスでは女王の言動を暗に批判する人形劇が人気を博したことがあるそうです。日本にも時の首相や話題になった政治家をネタにした、「NEWSPAPER」というコント集団があります。

 

ですから、村本が何か画期的なジャンルを開拓したわけではありません。『THE MANZAI』のネタにしても、原発、沖縄の米軍基地問題、日米安保、北朝鮮問題などをとりあげていましたが、中身的には、左派・リベラル派の主張と何ら変わることはなく、新味はありません。

 

(もっとも、東北や熊本の被災地の仮設住宅を訪問し続けている経験からのネタづくりという点は、特筆すべきものがあります。)

なぜ、干されたのか

なのに、干されています。安倍政権が圧力をかけたのか?今の政権ならやりかねませんが、さすがにそこまで暇ではないでしょう。そうなると、村本が自身のツィッターでつづっているように、テレビ局側が「忖度」したということになります。

 

テレビ番組にはスポンサーが不可欠 → スポンサーは大企業 → 大企業は経団連に所属している → 経団連と安倍政権は親密な関係 → 政権批判はNG、という流れでしょうか。

 

まあ、局側が「忖度」するほど、今の政権を怖れているということなので、圧力といえなくもないですが。

 

ウーマンラッシュアワーは消えるのか

このまま消えていくのでしょうか? いや、案外、生き残ると思います。いつの時代にも孤高の芸人はいるものです。「ピコ太郎」でブレイクした古坂大魔王も長い間、その実力が評価されながらも世に出ることがなかったように。

 

ウーマンラッシュアワーに期待するのは、自らの政治的主張・考えを「話芸」という形に落とし込んだ技量を、さらに磨き続けて欲しいということです。

 

そして、テレビが「忖度」してとりあげようとしないテーマを、漫才という「芸」に昇華させて、「このままでいいのか」と国民に投げかけていく姿勢を保ち続けて欲しいということです。

 

「ほんとに吐き出す場はセンターマイクの前だけ」(村本のツィッター)という芸人の矜持を失わなければ、いつの日か、漫才番組のトリを務めることとなるでしょう。

 

以上、『干された「ウーマンラッシュアワー」 消えていくのか?』でした。