|球界のレジェンドが認める逸材
プロ野球のキャンプが間近となってきました。阪神ファンにとって気がかりなことは、藤浪晋太郎が復活できるのか、新外国人のロサリオは活躍できるのか、でしょう。
私なりに、藤浪晋太郎の復活のカギは、よくいわれる「イップス」の克服よりも、捕手のリードというか、開き直りだと考えています。
藤浪晋太郎は日本球界の宝です。WBC日本代表の投手コーチを務めた権藤博は、「日本代表に召集する投手を3人選べと言われれば、菅野、大谷翔平、藤波」と言っていましたし、壮行試合での藤波を見て、「やはり、モノが違う」と言わしめました。
先日、亡くなられた星野仙一氏も「藤波は素材としては大谷より上」と言い、落合博満は、「自分が今、打席に立つとして、最もいやな投手は藤波」と述べています。
まさしく、球界のレジェンドたちが認める逸材なのです。
|藤浪晋太郎の注目点
その藤波が昨年、極度の不調に陥りました。いうまでもなく、制球難です。しかし、これは今に始まったことではありません。入団2年目の2014年から3年連続で四球はワースト1位、死球数も2014年からワースト3位以内の常連です。四球でいえば、平均すると、打者10人に1個、死球では100人に1個の割合で与えています。
「四死球から崩れる」とよく聞かされますが、藤波の場合は、それでもプロ5年間の通算防御率は3.05です。もっと、この点に注目すべきかと思います。
|藤波は「イップス」か
いわゆるトラ番記者の間では、「藤波はイップスだ」というのが共通認識になっているとのことです。
イップス(Yips)とは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーが出来なくなる運動障害のこと。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われている。
一説によると、プロ野球を辞めていく選手の8割はイップスを抱えているといわれていますので、かなり心配になってきます。
藤波の場合、昨年4月のヤクルト戦で、畠山和洋の頭部付近に当てて乱闘になったシーンが引き金になったと指摘されています。
でも、繰り返しますが、与死球はその数も割合も、リーグトップなのです。乱闘やこぜりあいは何度も経験しているはずです。それくらいで、精神的にやられてしまうとは到底考えられないのです。
高校時代から騒がれ、そして阪神というファンの目が厳しい人気球団に入り、5万人の大観衆を背に、高校を出たばかりの19歳が堂々と2桁勝利をあげるのですから、並大抵の精神力ではないと思うのは私だけなのでしょうか。そもそも、藤波自身がイップスを強く否定しています。
|捕手がリードしない
日本球界の常識の1つに、コントロールの良い投手が名投手の条件、というのがあります。かつての桑田真澄、今では菅野あたりが、ボール1個の出し入れをして打者を翻弄するとされています。もちろん、この2人が名投手には違いありませんが。
藤波は、この名投手の観念にとらわれ、コーナーの四隅を狙うコントロールを重視するあまり、本来の良さであるダイナミックさとかスピードを殺し、フォームまでおかしくなっているのではと思うのです。
阪神二軍監督の矢野燿大は、現役時代の思い出として、「(藤川)球児は、自分の玉の力で抑えていまうので面白くなかった。その点、下柳は構えたところに必ずくるので、リードしていて楽しかった」と言っています。
捕手としては、どうしてもリードしようとします。配球の妙をみせようとします。このあたりは、野村克也の影響が大なのかもしれません。
極論すれば、藤浪晋太郎にはリードは必要ありません。捕手はど真ん中にミットを構えているだけで、サインは直球か変化球かの球種だけにします。おそらく、素直にど真ん中にはこずに、左右上下に散っていくでしょう。
160キロ近い球速で、球質も重いわけですから、そう簡単には打てないはずです。古田敦也や谷繁、山本昌は「藤波をリードしようと思わず、開き直って、この荒れ玉を打てるものなら打ってみろ、という感覚でいい」と口をそろえて言っています。
以上、『藤浪晋太郎 復活のカギは「イップス」克服よりも捕手』でした。
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