とくなが久志奮闘録

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彦根東高校 選抜高校野球 出場決定! 「文武両道」ならではの頭脳プレーに期待

|選抜高校野球 彦根東高校 出場決定

春の選抜高校野球大会に、彦根東高校の出場が決定しました!

 

昨年夏の大会に引き続いて春の選抜も出場で、夏・春と連続して甲子園出場です。

 

秋の滋賀県大会は3位に終わったものの、近畿大会では初戦で明石商業(兵庫県大会優勝)を破り、ベスト4をかけた近江とは惜敗。ともに内容の濃い接戦を演じたことが評価され、出場が決まったようです。

 

今回は、彦根東に競り勝った近江、21世紀枠で膳所と、何と滋賀県から3校選ばれました。

 

そこで、彦根東高校の紹介や、昨夏の甲子園での「文武両道ならではの頭脳プレー」などをお知らせします。

 

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|赤鬼魂

1798年、後に大老井伊直弼を輩出した彦根藩の藩校として始まり、1899年の中学校令によって滋賀県第一中学校となったのが、現在の彦根東高校。藩主井伊家の先駆者精神を継承し、県立一中としての誇りと負けじ魂「赤鬼魂」を伝統としています。

 

彦根藩の藩祖・井伊直政は、関ヶ原の戦などで徳川の先鋒隊を率いて戦いました。その時の直政隊は、鎧・兜・旗指物をすべて赤く染めた、「赤備え」の軍勢でした。その軍勢が敵を撃破して大活躍したことから、「井伊の赤備え」「井伊の赤鬼」と怖れられるようになりました。

 

したがって、彦根東の応援団はみな、「赤鬼魂」と記された真っ赤なTシャツと赤い帽子をかぶります。(阪神ァンの私は、広島カープみたいで若干の抵抗がありますが)真っ赤に染まったアルプススタンドはまさに壮観の一言。相手チームの選手は、「火山が噴火したみたいで怖かった」と言っています。

 

|打撃練習が出来ないグラウンド

他の強豪校のような専用グラウンドはありません。国宝の彦根城の堀の中に学校があるため、とても狭いです。バッティング練習や内外野の連携プレーなどの練習も十分に行うことができません。

 

グラウンドの狭さを補うために、民間のバッティングセンターに通っています。これは、OBらが掛け合って、運送会社が空き倉庫を改修して開業したものです。

 

また、立命館大学スポーツ健康科学部と連携して、選手一人ひとりの食事プランを組み立てています。保護者を交えた勉強会を重ね、家庭での食事にまで気を配っています。がっしりした体格の選手がそろっているのもそのためでしょう。

 

|「文武両道」を行く

滋賀県有数の進学校。学校の定期試験が年5回。実力テスト、校外模試、休み明けテストなどがあります。

 

野球部員だからといって特別扱いはありません。逆に、悪い点数だと、土日など1日練習の日も午前中は勉強させられます。

 

といっても、部員は平日も練習が終わった後に、塾に行くなど勉強への意欲は人一倍です。試合前夜に監督が「勉強禁止令」を出さなければならないほどです。エースの増居翔太君はテレビの取材で、「目標は京大と甲子園に行くこと」と断言しています。

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|頭脳プレー①

昨夏の甲子園では、彦根東は開幕戦(対波佐見)を9回逆転サヨナラで勝ち、甲子園初勝利を飾りました。この試合では、「文武両道」ならではの頭脳プレーがありました。

 

相手がセンター前ヒットを放ちました。打者ランナーは、ファーストが前に出て塁が空いているのを確認して、一塁を大きくオーバーラン。打球を処理するセンターは、ゆっくりとセカンドへと返球するフリをして、一塁へ矢のような送球をします。何と、キャッチャーが一塁まで来ていて捕球する頭脳プレー。

 

間一髪、セーフでしたが、観衆をうならせるシーンでした。テレビ朝日『熱闘甲子園』で解説していた古田敦也(元ヤクルト監督)も、「こんなプレーは見たことありません。まさに、攻撃的守備。すばらしい」と絶賛していました。

 

|頭脳プレー②

9回裏、1点をリードされた彦根東の攻撃は、1死1、3塁。

 

ここで、何と、彦根東はヒットエンドランを仕掛けます。これには本当に驚きました。何か見てはいけないものを見た、という感じがしました。

 

具体的には、一塁ランナーだけがスタートを切り、打者は叩きつけるようなバッティングをしてゴロを打ちました。三塁ランナーはゴロゴー(打球が転がったと同時にスタート)。見事に、同点に追いつきました。

 

高校野球で1点を取る有力な作戦はスクイズ。相手も当然、警戒してきます。そこを逆手にとります。三塁手はベースについているため三遊間は広く空き、一塁ランナーがスタートを切ると二塁手が二塁ベースカバーに入るため、一二塁間も大きく空きます。つまり、ヒットゾーンが広がることになります。

 

また、投球もスクイズを警戒するために外角中心となり、狙い球を絞りやすく、何よりヒットゾーンが広がるのがわかるので、打者の緊張も和らぎます。

 

グラウンドが広く使えない彦根東が、数多くの練習を積み重ねてきたシチュエーションが1死1、3塁であり、このプロ野球などではお目にかかれない作戦だったのです。

 

彦根東の村中隆之監督は、同校同窓会報で次のような趣旨のことを述べています。

 

状況に応じて点を取る方法は数学の公式のようなもの。公式を用いて解く練習問題を繰り返しやってきた。実践では、どの公式を用いるかを指示し、選手が解いていくだけ。途中で計算間違いをしなければ、正答は得られる、つまり点がとれる。

 

選抜大会は3月23日に開会。彦根東には、文武両道ならでは頭脳プレーで赤鬼魂旋風を巻き起こしてくれることを期待しましょう。

以上、『彦根東高校 選抜高校野球 出場決定! 「文武両道」ならではの頭脳プレーに期待』でした。

 

 

全国高校野球選手権大会 使用球(99回バージョン)

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