デストロイヤー叙勲
迂闊でした。
プロレスマニアを自認する私が、こんなビックニュースを見落としていたとは!
往年の名レスラー、ザ・デストロイヤーが昨年秋の叙勲で旭日双光章を受章していたのです。そして、その叙勲伝達式が米国ニューヨーク州で行われたと報じられていました。
家族や州議会議員らが参加した式典で、在ニューヨーク総領事館の高橋総領事が日本のプロレス振興や日米交流への長年の貢献をたたえると、覆面姿のデストロイヤーさんは「これ以上の名誉はない」と満面の笑みを浮かべた。
受章理由に、スポーツ振興ならよくあることですが、なんと「プロレス振興」ですよ。
少なからず、世間では日陰者扱いされるプロレスファンにとって、久しぶりに日の目を見た、という感じで、とても嬉しい思い出いっぱいです。
といっても、正式には「スポーツ・文化の振興」であって 、「プロレス振興」は高橋総領事のリップサービスだとはわかっているんですが。
4の字固め
デストロイヤーといえば、代名詞は「足4の字固め」です。
今の40歳以上の男性なら、子どもの頃に一度はかけたり、かけられたりした経験があると思います。プロレス技のなかでは、最も知られているのではないでしょうか。
これって、「てこの原理」を応用した足技で、とても痛いですよね。古典的大技といわれてしまいますが、今でもたまにこれで試合が決まったりします。
「4の字固め」で私の脳裏に焼き付いてる映像が、力道山にかけた一枚です。
1963年5月の一戦ですので、私の生まれる前です。この試合の視聴率は、64.0%。国民の半数以上がテレビ観戦したことになります。
リングマットに血痕がべったりとついています。力道山の額も割れています。そして、デストロイヤーの白い覆面が真っ赤に染まっています。カラー写真よりも白黒の方が、かえって迫力が増して見えます。
さらに、デストロイヤーの左足が力道山の左足首を完全にロックしているのがわかります。デストロイヤーが絞り上げ、力道山が苦悶しています。
これらの情景が、天井からの撮った一枚にすべて埋め込まれています。
すごい迫力と説得力です。プロレス雑誌をよく読んでいますが、この一枚にまさる写真はお目にかかったことはありません。
覆面を脱がない
デストロイヤーはマスクマンとしての誇りを常に持っていました。来日する際は、マスクを被ったままで入国審査を通っていたといいます。
引退してもなお、特に、日本人の前では絶対にマスクを脱ぐことはないと断言しています。
叙勲者は皇居において天皇陛下に拝謁することになっています。果たして、デストロイヤーはマスクをしたままなのでしょうか?
以上、『デストロイヤー 4の字固めに叙勲』でした。