とくなが久志奮闘録

日々の生活や仕事のなかで考えたことを、ふんわりと書き連ねていきます。

井出英策・慶大教授に応え、民進党出身議員は再結集を!

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◆井出英策・慶大教授の講演

前原誠司衆議院議員が民進党代表時代に政策的に支えた慶応大学の井出英策教授が、連合の政策勉強会「連合フォーラム」で行った講演が話題となっています。

 

「連合フォーラム」とは、今や、立憲民主党、希望の党、民進党と3分裂してしまった民進党出身議員を支持母体である連合が、何とか1つにまとめようとしてできた会です。

 

その発足式に来賓として招かれた井出教授は、切々と訴えるように、こう語ったようです。

 

 僕の愛した民進党が3つに分かれ、大勢のみなさんがいまだに苦労している。この現実を僕は何よりも悲しい。(中略)

 

(希望の党への合流を)晴天のへきれきだった。みなさんと作ってきた政策がこれで木っ端みじんになるという不安を感じた。(中略)

 

野党が合流する、1つになる、そんなのは器の話に過ぎない。器の形は地道な議論の結果に過ぎない。

本当の意味ですべての働く人たちの幸福を求めるような政治の土台を作ってください。(中略)

 

(私のような)敗北者がこの場に居座り続けるのは無様であり、生き恥をさらすに等しい。でも、もし、みなさんにお許しいただけるならば、残された学者生命をみなさんと一緒に燃焼し尽くしたい。(朝日新聞DIGITAL)

 

◆井出英策教授と前原誠司衆議院議員

日本の学者は、政治とは関わらない人が良識派とされています。逆に、積極的に関わる人もいますが、どちらかといえば、時の政権の御用学者となり、多額の報酬をもらって政府の審議会の委員になって喜ぶ輩です。

 

「政策はかくあるべし」と著書で声高に主張しながらも、現実とは向き合おうともしない。自分は暖房の効いた部屋で温かいコーヒーを飲みながら、外で寒くて震えている人を窓越しに見ながら、「かわいそうな人だ。政治が悪い」とつぶやくだけに終わる。というのがたいていの学者の姿でしょう。(ちょっと言い過ぎか?)

 

井出栄策教授は、気鋭の財政学者として頭角を現し、あるべき社会像を大学の外にむけても発信していました。そのなかで、前原誠司衆議院議員との出会いがあったのです。

 

前原氏は著書でその出会いをこう書いています。

 

井出栄策さんに、党の勉強会に来ていただいた。法人税減税をどう考えるかというテーマで話していただき、同じ考えであったこともあり親近感を持った程度だったが、2度目にお呼びした時は、財政論を超えた国家論を熱く語ってくださり、大いに感銘を受けた。

学者というより憂国の士、国士だと思った。個人的にも是非、話をしてみたいと思い、まずは新橋の居酒屋にお誘いし、2度目は井出さんのお住まいの小田原の居酒屋で語り合った。(『分断社会ニッポン』より引用)

 

井出教授は、「前原先生はこんな私を、『三顧の礼』で迎えていただいた」と述べるなど、両者は意気投合し、議論を重ね、やがてそれは、前原氏の政策の柱となっていきました。

 

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◆井出教授と民進党

井出教授にとって、野党の政治家の政策づくりに関わるメリットはまったくありません。もしかすると、デメリットの方があるくらいです。でも、井出教授は、2017年3月の民進党大会でこう言っています。

 

「民進党はもうダメだから関わるな」と忠告してくる人がたくさんいました。しかし、そういう忠告は、僕の心には少しも響きませんでした。 

勝てる勝負、強い者の応援なら誰にだってできる。強い者に、もがき苦しみながらも立ち向かおうとする民進党と共に、国民が夢を託すもう一つの選択肢を創ることが出来る。こんな愉快なことがありますか。

 

井出教授と二人三脚で政策作りを行った前原氏は、『All for All(みんながみんなのために)』というキャッチフレーズで政策にまとめあげ、それを掲げて民進党代表選挙に勝利しました。

 

◆民進党出身議員は再結集を!

前原代表のもと、さあ、この政策で自民党一強政治と対峙するぞ、と意気込んだ矢先に、民進党は希望の党へ合流してしまいました。

 

井出教授の失望・落胆にははかりしれないものがあったと推察します。「恨み骨髄に徹す」となっても不思議ではありません。にもかかわらず、Facebookでこう述べています。

前原さんの決断それじたいは僕は支持していますし、反対に現状がこうだからと蜘蛛の子を散らすように彼と袂を分かつのは、人間として見苦しいことだと思っています。僕は責任をとります。

どこかの政党と一心同体となり、彼らをこれまでのように支えることはもうしません。ただ、前原さんにも、民進党の議員さんにも、連合の皆さんにも本当にお世話になりました。彼らとの出会いがなければ今の僕はありません。その恩返しのためには生き恥をさらすことも恐れない、それが僕の信念です。

子どもたちに尊敬される人間であり続けたいのです。その延長線上にしか、より良い社会はないと僕は信じています。

 

この思いに応えなければ政治家ではない。いや、男ではありません。

 

もう一度、井出栄策教授にご指導いただた政策の旗のもと、民進党出身議員は結集してもらいたいものです。

 

以上、『井出英策・慶大教授に応え、民進党出身議員は再結集を!』でした。

文中でご紹介した本はこちら↓

分断社会ニッポン (朝日新書)

分断社会ニッポン (朝日新書)

 

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