とくなが久志奮闘録

日々の生活や仕事のなかで考えたことを、ふんわりと書き連ねていきます。

「丸岡いずみ 有村昆 代理母出産」 子は実子とはならない! 

|丸岡いずみさん代理母出産

アナウンサーの丸岡いずみさんが、夫で映画コメンテーターの有村昆さんとの間に、ロシアでの代理母出産で第一子となる男児をもうけていたことがわかりました。

 

丸岡さんは、子宮内膜が薄いことによる「不育症」の疑いが生じたため、薬による治療を行いましたが、副作用が強かったため、代理母出産を考えるようになったと言います。

|代理母出産とは?

代理母出産とは、夫婦が自分たちの代わりに別の女性(代理母)に体外受精等で子どもを妊娠してもらい、無事に生まれたら引き取って自分の子として育てていくというものです。

 

その方法には、4つのパターンがあります。

  1. 夫婦の卵子と精子を体外受精させて、代理母の子宮に入れる方法。
  2. 夫の精子と卵子バンクの卵子を受精させて、代理母の子宮に入れる方法。
  3. 妻の卵子と精子バンクの精子を受精させて、代理母の子宮に入れる方法。
  4. 夫の精子を代理母の卵子に人工授精させる方法。

 

丸岡さん夫婦は、凍結保存した受精卵をロシアに運んだということですので、おそらく上記1のパターンだと思われます。では、なぜ、ロシアなのでしょうか?

 

|日本では代理母出産はできない

丸岡さん夫婦がロシアに行ったのは、日本国内で代理母出産は行われていないからです。法律で禁止されているわけではありませんが、いろいろな問題から、日本産婦人科学会というところが自主規制をしているのです。

 

ただ、日本では規制されているものの、海外では20ヶ国近い国々が代理母出産を不妊治療の一貫として認めています。主な国としては、アメリカ、インド、ウクライナ、メキシコなどがあります。

 

したがって、代理母出産を望む日本人は海外に行かねばならないのです。でも、海外で出産と聞いただけで、費用が気にかかります。(海外での代理母出産はすでにビジネス化していて、様々な問題をはらんでいます。『世界の産声に耳を澄ます』に詳しく書かれています)

 

 

世界の産声に耳を澄ます

世界の産声に耳を澄ます

 

 |代理母出産ーその費用は?

医療技術や法的整備が進んでいるアメリカでは、年間2千人以上の赤ちゃんが代理母出産で誕生しています。その医療費は、日本人だと渡航費用も含めると、およそ2千万円はかかるといわれています。

 

アジア各国では、アメリカと比較して格段に安く、200~600万円が相場となっています。

 

ただ、いずれにしても、すでに長期にわたって高額の不妊治療を受けた上に、これだけの金額を出せる夫婦は限られてくるでしょう。

 

|代理母出産の子は実子とはならない

プロレスラーの髙田延彦さんと女優の向井亜紀夫妻もアメリカで代理母出産をしました。髙田さん夫婦は、たが、子を嫡出子(夫婦間の実の子)として役所に届け出ようとしまし受理されませんでした。

 

裁判に訴えましたが、最高裁までいった結果、「子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない」とし、嫡出子であることを認めませんでした。この判決は、「子を産んだ者だけが母親である」という従来の考えを貫いたものです。

 

結局、髙田さん夫婦は子との間に、特別養子縁組を成立させています。つまり、戸籍上は、実の子ではなくて養子ということになります。

|日本でも代理母出産を可能にする法整備を!

日本の夫婦の10組に1組が不妊に悩んでいます。不妊治療を何年にもわたって試しても授からず、「運命」と諦めていく夫婦をみてきた経験が私にもあります。

 

そうした夫婦の最後の希望が、代理母出産。丸岡さん夫婦の喜びの声を聞くまでもなく、代理母出産で子どもを授かることが出来たと感激する夫婦はたくさんいると思います。

 

ただ、代理母出産を望んでも、海外での超高額の医療費が必要です。ここで、大半が挫折・断念すると思われます。何とかお金を工面して出産に成功しても、戸籍上とはいえ、実の子とは認められません。とても寂しい話ではないでしょうか。

 

やはり、日本国内で代理母出産ができて、子も実の子として戸籍上、認められるというように法整備をしていくべきだと考えます。

 

2008年に、自民党のプロジェクトチームが、「病気などで子宮がない人、あるいは先天的に子宮を持っていない人が、卵子・精子は夫婦のものを使っての代理母出産を認めるべき」との案をまとめています。

 

しかし、その後は進展がありません。ここは、すぐにでも法律として決めていくべきです。2008年の自民党案を叩き台にして、例え、限定的にでも代理母出産を認めていくことに手をつけるべきだと考えます。

会いたかった―代理母出産という選択

会いたかった―代理母出産という選択