とくなが久志奮闘録

日々の生活や仕事のなかで考えたことを、ふんわりと書き連ねていきます。

【平昌五輪】テレビに配慮した五輪の弊害

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◆平昌五輪への疑問・文句

平昌オリンピックの真っ最中です。

 

テレビにかじりついて応援しながら、ふと、疑問に感じた人も多いはずです。あるいは、テレビ画面に向かって文句を言っている人もいるでしょう。(私もその一人)

 

どうしてフィギュアスケートを午前10時からやるのか?

なぜ、ジャンプはこんなに遅い時間にやるのか?日をまたいでの試合なんてありえないだろう!

こんな強風でまともなプレーが出来るはずがない!

 

五輪開催地は韓国なので時差はありません。ライブで楽しめると思っていたのに、何だかヨーロッパか南米あたりでやっているみたいで、時差を感じてしまいます。

 

◆早朝・深夜の競技日程のなぞ

フィギュアスケートは午前10時にスタートし、ノルディックスキー・ジャンプは午後9時半にスタート。ジャンプは終了が日付を越えていました。

 

なぜ、このような時間帯に開催されるのか?

 

競技日程はIOC(国際オリンピック委員会)の収入源となるテレビ放映権に配慮されているからです。そのため、一部の競技ですが、アメリカやヨーロッパのゴールデンタイムに合わせて時間が設定されているのです。

 

フィギュアスケートやスノーボートはアメリカで人気が高いため、アメリカのゴールデンタイムにテレビ中継されるよう、平昌現地時刻の午前10時スタート。

 

スピードスケートやジャンプはヨーロッパで人気が高いため、ヨーロッパのゴールデンタイムに合わせて、現地時刻の夜遅い時間帯にスタートということになります。

 

実際、全世界にテレビ中継を配信するためにIOCが設立した「五輪放送サービス」は、「競技日程はテレビ視聴者を最大化するためにデザインされている」と話しています。

 

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◆テレビに配慮した弊害

こうした日程の組み方で悪い影響を受けたのが、スノーボードの女子スロープスタイル。

 

悪天候のため、予選が中止となり、決勝は試技が3回から2回に変更されました。それでも突風はやまず、出場選手全員が1度は転倒したとのことです。

 

オーストラリア代表の中で最年少となる17歳のテス・コーディは、前日の練習で転倒して左膝を骨折して棄権。

この日の決勝を15位で終えたオーストリアのアンナ・ガッサーは、「すでに多くの選手が風のせいで怪我をしていた。昨日も朝の練習は危険だった」と言う。

さらに、この日の決勝は「くじ引き」のようだったというガッサーは、「フェアな競技だったとは思わない。強行した主催者には少し失望している」と述べた。(headline.yahoo.co.jp)

 

私も、スノーボードはテレビで観ていましたが、ジャンプした際に横風の影響で空中でバランスを崩しているのが、素人目にも明らかでした。選手が真っ白な地面にたたきつけられる姿は、本当に痛々しいものでした。

 

これもテレビとの関係の結果です。日程が枠で押さえられているため、延期することもままならないのです。

 

 

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◆「顧客第一」の五輪

IOCの収益の80%がテレビ放映権料です。そのテレビ放映権料の最大の顧客が約51%を占めるアメリカで21億2千万ドル、2番目がヨーロッパで9億4千万ドルとなっています。

 

つまり、顧客のニーズに合わせて競技日程が組まれるため、変な時間帯で試合が行われ、悪天候でも強行されるということです。

 

IOCは「アスリート・ファースト(選手第一)」といっていますが、これでは「顧客第一」といわれても仕方ありません

 

五輪を開催するには多額の予算を必要とし、その財源としてテレビ放映権料は欠かせないというのは理解できます。巨額の放映権料を払う欧米の視聴者に配慮することも理解できます。

 

しかし、厳しいトレーニングを積み重ねてきたアスリートが、最高のパフォーマンスが出来るよう環境を整えることは、主催者の責務です。

 

欧米の視聴者も、鍛えられた選手の素晴らしいプレーを期待してテレビを観ているはずです。転倒せずにゴールまでたどりつければ上位に入る、というような競技を観ることを楽しんではいないでしょう。

 

「これは韓国が悪い」とネット上では騒がしいですが、東京五輪でも同様の問題が起らないとも限りません。是非とも、「アスリート・ファースト(選手第一)」を貫いた五輪にしたいものです

 

以上、『【平昌五輪】テレビに配慮した五輪の弊害』でした。

 

 

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平昌五輪開幕 「南北合同チーム」は統一の機運を高めるか?

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南北合同チーム結成

いよいよ平昌五輪が開幕です。

 

今回の平昌五輪の最大の見所は、韓国と北朝鮮による歴史上初の南北合同チームの結成です。

 

これは、間違いなく歴史に刻まれるべき出来事です。ただ、それが、歴史的快挙なのか、歴史的愚行なのか。それは、朝鮮半島の緊張緩和をもたらすのか、南北統一への機運を高めるのか、興味のつきないところです。

 

韓国と北朝鮮がスポーツの国際大会で合同チームを結成した例は、過去に2度あります。

 

1991年、千葉で開催された世界卓球選手権と、同年のポルトガルでのサッカー世界ユース大会(20歳以下)です。

 

五輪で両者がそろって開会式に入場したのは、2000年シドニー大会と2004年アテネ大会です。繰り返しますが、南北合同チームは夏冬通じて初となります。

 

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北朝鮮が参加を決めた理由

北朝鮮が、なぜ、参加を決めたのか。素朴な疑問です。

 

相次ぐミサイル発射や核疑惑で国際的に孤立を深め、各国からの経済制裁で国内的に疲弊を極めている北朝鮮が、何とか活路を見出そうとしての参加を決めたという分析が多くなされています。

 

はっきり言って、こうした分析は誤りです。したたかな外交攻勢の一貫だとみるべきです。しかも、一石三鳥を狙っています。

 

  1. 北朝鮮の五輪参加は、韓国の文大統領の選挙公約。公約実現に尽力したという貸しをつくることができる。
  2. 南北融和のムードで、アメリカは強硬姿勢を取りづらくなる。
  3. 日・米・韓の同盟関係に少しでもくさびを打ち込むことができる。

 

こうした狙いをもって北朝鮮は参加を決めたと思われます。五輪の政治利用そのものであり、外交攻勢に利用しています。

 

女子アイスホッケーで混乱

政治的な意図をもって決定された合同チームゆえに、実際の現場では混乱があるようです。

 

女子アイスホッケーで、北朝鮮の選手が12名加わることが政治判断で決められ、一方的に通告された韓国代表チームは戸惑い(韓国選手を3名外さないといけない)、これに反発する国民の抗議行動につながりました。

 

さすがに国際オリンピック委員会(IOC)もこれに配慮し、従来の選手枠とは別枠で北朝鮮選手12人を加えると決定しました。今度は参加する各国から「不平等だ」と反発がおこる有様です。

 

このアイスホッケーの例外的な決定を含めて、北朝鮮は合計で3競技10種目に22人の選手が参加することになります。この中で、正規のルートで出場権を獲得していたのは、フィギュアスケートのペアのみです。

 

政治決定ゆえの不公平さに違和感を感じる韓国国民は多いようです。しかし、です。

 

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国家より民族

2月14日、女子アイスホッケーの試合「日本vs南北合同チーム」が行われます。

 

おそらく、韓国・北朝鮮ともに一緒に応援して、「日本負けろ!がんばれコリア!」となるのでしょう。そうなると、韓国国民は「南北一緒に応援して良かったな」となってしまうのだと思います。

 

そういう状態がつづいて迎える2月25日の閉会式は、「最初は変な感じだったけど、南北一緒にやって良かったね」「民族は協力しあえるんだね」となるのでしょう。

 

これこそ民族の血というものです。国家意識より民族意識です。

 

機運を高める「戦争を知らない世代」

韓国の人口5千万人のうち、半数以上は朝鮮戦争以後に生まれた世代です。北朝鮮の朝鮮人民軍が38度線を突破して韓国を席巻し、韓国市民の多くが命を落とした苦い経験をしていない世代です。

 

朝鮮戦争のとげが刺さっていない世代は、目の前に「同じ民族だとこんなに話し合えるのか」ということが次から次へとおこったら、雰囲気ががらっと変わってしまいます。南北交流への抵抗感がなくなります。

 

もちろん、北朝鮮は独裁体制ですから、そうは簡単ではありません。ただ、隣国の中国、そしてアメリカや日本とは、どうしても相互理解が進まないけれども、同じ民族だとわかり合えるということに気づき始めると思います。

 

南北統一チームは、統一の機運を高めることはあっても、萎んでいくことはないと考えています。

 

もちろん、こうした視野も一方で持ちながら、五輪後の朝鮮半島情勢を冷静に分析して日本のアジア戦略を構築していかなくてはなりません。

 

以上、『平昌五輪開幕 「南北合同チーム」は統一の機運を高めるか?』でした。

 

*余談*

同じアイスホッケーで女子だけが、なぜ、南北合同チームなのか。韓国男子代表チームは、帰化選手が7人いて強化が進んでおり躍進が期待できる一方で、女子チームは勝つこと自体が難しそうだから、大勢に影響がないとの判断に基づくようです。これって、発想そのものが貧しいですね。

 

 

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平昌五輪開幕 国籍変更・帰化選手で問われる「オリンピックの求心力」

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増える帰化(国籍変更)選手

いよいよ平昌冬季五輪が開幕します。

 

イマイチ盛り上がりに欠けると言われていますが、開催国の韓国は必死の取り組みをやっているようです。

 

開催国のメンツにかけても獲得メダル数を増やそうとやっきになっています。金メダル8個、銀メダル4個、銅メダル9個でメダル獲得ランキング総合4位(前回ソチ大会13位)が国家目標とのことです。

 

そのために、わざわざ国籍法を改正し、優秀な外国人選手を特別帰化(国籍変更)させて、手っ取り早く選手補強に乗り出しています。

 

アイスホッケー代表22人のうち6人、バイアスロンでは3人、フィギュアでもアイスダンスとペアで外国人選手を帰化させて補強しています。トータルでは、韓国選手団約130人のうち10%以上の15人が帰化選手となります。

 

そういえば、リオ五輪では、卓球女子団体で、日本と銅メダルを争ったシンガポールは選手全員が中国からの帰化選手でした。アメリカ代表も6人中5人が、ドイツも6人中2人が中国からの帰化選手でした。

 

こうした帰化選手はますます増加していくことが予想されます

 

帰化選手が増える理由

国家がなぜメダル獲得に躍起になるのでしょうか?

 

それは、国民が喜ぶからです(私もその1人です)。国民が喜ぶことは「国益」にプラスであり、ひいては国際社会での威信を高めることにつながると考えられています。

 

自国ではとても現れない才能を持った選手を、経済的な好条件を提示して引き抜いていき、メダル増にさえつながれば国民は盛り上がるだろうという考えです

 

ただ、帰化選手が増える状況に警鐘を鳴らす動きもあります。国際陸連は選手の国籍変更を、新たなルールを整備するまで凍結することを決めました。

 

アフリカの陸上選手が、高い報酬と引き替えに自国を離れ、中東諸国へ帰化する現状を問題としたためです。国際陸連の副会長は、「アフリカの才能が、高い値をつける国に売られている」と嘆いています。

 

また、リオ五輪の男子マラソンにカンボジア代表として出場した「猫ひろし」も、カンボジアのオリンピック委員会から帰化を持ちかけられました。

 

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選手側からみた帰化の理由

ただ、選手の側から考えれば、帰化する理由は経済的なものだけとは限りません。

 

五輪に出たいが、母国はレベルが高く、競争相手が多くて無理だから」という理由で帰化するケースも多くあります。

 

また、内戦や治安悪化のために、難民となって国籍を変えざるを得ない場合もあるわけです。

 

選手が主体的に自らの可能性を追求し、さらなる大きなチャンスや有利な環境・条件を求めることを、一方的に非難することはできません。

 

企業の経済活動が、より良い環境を求めて国境を越えるのと同じことです。そこに、「愛国心」「これまでお世話になった恩義」という感情的な要素が入ると、とたんに話が複雑になるのもよく似ています。

 

私も五輪では日本人選手を応援します。当然です。でも、それと同じくらいに、「より速く、より高く、より遠く、より強く、より美しい」を見せてくれる選手はどこの国の出身だろうと応援したくなります。

 

ウサイン・ボルトが世界中で人気者だったのは、彼がジャマイカ人だからではないはずです。

 

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問われる五輪の求心力

このまま、選手の帰化・国籍変更が普通のこととなってしまえば、国別対抗戦である五輪は求心力を失うと思います。

 

アマチュアリズムからプロ化と商業主義へと拡大し、政治と関わりながら大きくなった五輪。

 

国家のメンツ・威信・国益をかけた競争から、選手同士のプライドをかけた競争へ

 

五輪の求心力をどこに求めるのかを改めて考える平昌五輪にしたいものです。

 

以上、『平昌五輪開幕 国籍変更・帰化選手で問われる「オリンピックの求心力」』でした。

 

*余談*

私論:五輪は、個人競技は国別の参加枠をなくし、一定レベルの個人参加のみとし、団体競技は撤廃する。団体競技は、種目別のワールドカップを最高峰とし、国籍問題は種目ごとの団体が自主的に決める。

 

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NYダウ(獣の数字)666ドル急落について

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日米同時株安

日米で同時株安となっています。

 

NYダウは2月2日が666ドル下がり、続く5日は1175ドルも下げています。

 

日本株も、5日が592円下がり、6日は1171円も下げています。6日には、マザース指数先物でサーキットブレーカーまで発動されています。

 

私は趣味で株価を眺めていますが、これほどの急落、特にNYダウには目を疑いました。なぜなら、この下げ幅は、過去の歴史上の株価暴落を思い起こさせるからです。

 

  • 英国がEU離脱を決めたブレグジット・ショック  611ドル
  • 中国株急落  588ドル 
  • リーマンショック  369ドル
  • 米国同時多発テロ  684ドル
  • ブランクマンデー  507ドル

 

記憶に新しいところの「危機」でこの下げ幅ですから、今回の666ドル、1175ドルという数字をスマホ画面で見た時は、「朝鮮半島か中東で戦争でも起きたのか」と、しばし固まりました。

同時株安の理由

下落の一般的な理由としては、アメリカの長期金利が短期間で急上昇したからです。雇用統計で平均時給がかなり上昇したため、先行きの物価上昇と金利先高感につながったとされています。

 

私のスマホへは投資顧問会社の無料メールがいくつか届きますが、なかなか面白いです。

 

今回の下げは米国の景気動向が良好な面からきた高値警戒感からきたものと推測され・・・スピード調整で売りが売りを呼んでしまったあげくに、アルゴリズムの取引が過剰に反応したもの。

 

だから、すぐに上がるから買え、というのです。株価上昇時には波に乗り遅れないで「買え」といい、下落時にはすぐに上がるから「買え」という。正直に従っていたら、資産を失いますよね。

 

もう1つ、興味深い見方があります。キリスト教では、NYダウの2日の下げ幅である666という数字は不吉なものとされています。

 

豊富な資金力を誇る某機関が、あえて終値を-666ドルにして、市場に大きなインパクトを与え、さらに急落してパニックになる、との警告ではないかというものです。

 

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「獣の数字」666

666という数字は、「獣の数字」と呼ばれています。

 

聖書の『ヨハネの黙示録』によりますと、この世の週末に海から「角が10本、頭が7本」の獣が上がってきて、この世界を42ヶ月間支配します。そして、その獣が人々に刻む数字が「666」なのです。

 

すべての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできないようにした。この刻印は、その獣の名、またはその名の数字のことである。ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くが良い。その数字とは、人を指すものである。そして、その数字は666である。 (『ヨハネの黙示録』第15章)

 

なぜ、666が不吉な数字なのかの問いには、「聖書にそう書いてあるから」としか答えようがありません。

 

欧米のキリスト教信者は、666を本当に忌み嫌います。

 

恐怖映画の代表作である『オーメン』は、6月6日午前6時に誕生し、頭に「666」のアザを持つ悪魔の子ダミアンをめぐる物語でした。

 

また、元アメリカ大統領のロナルド・レーガンは、転居先の住所表記が「666 St」だったので、政治力を使って「668 St」に変更させたという逸話が残っています。

 

まとめ

666ドルの下落で始まった日米の同時株安は、短期調整の一過性のもので終わるのか。それとも、トレンド転換の合図となって市場に大きなダメージを残していくのか

 

「相場のことは相場に聞け」ですから、予測などしませんが、「獣の数字666」はとても気にかかることではあります。何の理論的根拠はありませんが。

 

以上、『NYダウ(獣の数字)666ドル急落について』でした。 

 

*余談*

日本にある硬貨、1円玉~500円玉まですべて足してみて下さい・・・。

666円ですよね。そもそも日本経済って、不吉なのでしょうか?

また、ネットのURLにある「www.」は、ヘブライ語で666にあたります。ネットが人類を不幸にする警告なのでしょうか?

 

 

デストロイヤー 4の字固めに叙勲

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デストロイヤー叙勲

迂闊でした。

 

プロレスマニアを自認する私が、こんなビックニュースを見落としていたとは!

 

往年の名レスラー、ザ・デストロイヤーが昨年秋の叙勲で旭日双光章を受章していたのです。そして、その叙勲伝達式が米国ニューヨーク州で行われたと報じられていました。

 

家族や州議会議員らが参加した式典で、在ニューヨーク総領事館の高橋総領事が日本のプロレス振興や日米交流への長年の貢献をたたえると、覆面姿のデストロイヤーさんは「これ以上の名誉はない」と満面の笑みを浮かべた。

 

受章理由に、スポーツ振興ならよくあることですが、なんと「プロレス振興」ですよ。

 

少なからず、世間では日陰者扱いされるプロレスファンにとって、久しぶりに日の目を見た、という感じで、とても嬉しい思い出いっぱいです。

 

といっても、正式には「スポーツ・文化の振興」であって 、「プロレス振興」は高橋総領事のリップサービスだとはわかっているんですが。

 

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4の字固め

デストロイヤーといえば、代名詞は「足4の字固め」です。

 

今の40歳以上の男性なら、子どもの頃に一度はかけたり、かけられたりした経験があると思います。プロレス技のなかでは、最も知られているのではないでしょうか。

 

これって、「てこの原理」を応用した足技で、とても痛いですよね。古典的大技といわれてしまいますが、今でもたまにこれで試合が決まったりします。

 

「4の字固め」で私の脳裏に焼き付いてる映像が、力道山にかけた一枚です。

 

1963年5月の一戦ですので、私の生まれる前です。この試合の視聴率は、64.0%。国民の半数以上がテレビ観戦したことになります。

 

リングマットに血痕がべったりとついています。力道山の額も割れています。そして、デストロイヤーの白い覆面が真っ赤に染まっています。カラー写真よりも白黒の方が、かえって迫力が増して見えます。

 

さらに、デストロイヤーの左足が力道山の左足首を完全にロックしているのがわかります。デストロイヤーが絞り上げ、力道山が苦悶しています。

 

これらの情景が、天井からの撮った一枚にすべて埋め込まれています。

 

すごい迫力と説得力です。プロレス雑誌をよく読んでいますが、この一枚にまさる写真はお目にかかったことはありません。

 

覆面を脱がない

デストロイヤーはマスクマンとしての誇りを常に持っていました。来日する際は、マスクを被ったままで入国審査を通っていたといいます。

 

引退してもなお、特に、日本人の前では絶対にマスクを脱ぐことはないと断言しています。

 

叙勲者は皇居において天皇陛下に拝謁することになっています。果たして、デストロイヤーはマスクをしたままなのでしょうか?

 

以上、『デストロイヤー 4の字固めに叙勲』でした。

 

 

「文春」だけが悪いのか? 小室引退で「文春砲」に大批判

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┃「文春砲」に大批判

流行語大賞にもノミネートされ、数々の記事でスクープの代名詞となった「文春砲」ですが、引退を発表した小室哲哉さんへの記事をきっかけに大きな批判がおきています。

 

やっとクソ文春のヤバさが大衆に浸透してきたか。結局こうなるしかないビジネスモデル。誰得と言い続けてきたの俺だけ。 (堀江貴文氏)

 

もう不倫報道ええやろ。誰にも迷惑かけてない事は放っておきなさいよ!雑誌がまた一人の天才を殺しました。 (エハラマサヒロ氏)

 

週刊誌による興味本位の有名人不倫報道、いつまでこんな非生産的なことを続けるのか。(舛添要一氏)

 

確かに、ごもっともな指摘です。一連の「文春砲」に面白がっていた人が多くいた一方で、眉をひそめていた人がいたのも事実です。

 

でも、ここにきての「文春砲」叩きに違和感を感じるのです。悪いのは文春だけか?と。

 

┃週刊文春編集長の考え

 

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 文春編集長の考えです。「裁きではなくエンターテインメント」を目指しているとのことです。「ガス抜き」の意味はよくわかりませんが。

 

有名人の不倫などのスキャンダルを暴露し、記事という形で鉄槌をくだすことは考えていない。エンターテインメントなのだから読者に単に楽しんでもらえばいい、という感覚。裏返せば、楽しみ方は読者にお任せするとも解釈できます。

 

その楽しみ方こそが問題です。現実は、陰湿ないじめのような雰囲気が社会全体にできあがり、ひいては、国民参加型「人民裁判」が行われているのではないでしょうか。

 

その「人民裁判」の判決が、引退であったり、活動休止・自粛ということなのかもしれません。

 

┃「文春」は発行部数横ばいなのに・・・

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「文春砲」炸裂によって、文春は発行部数が伸びているかといえば、そうでもないようです。

 

出版不況と言われ、競合する他誌が発行部数を急激に落としていることを考えれば、横ばいを保っているので目立つということです。

 

逆に、2017年にあれだけ「文春砲」が炸裂しても、飛ぶように売れているわけではありません。

 

部数が伸びていないのに、なぜ、不倫スキャンダル等を追い求めるのか。

 

なぜ、そこに、多額の取材費を投じることが出来るのか。

 

疑問がわいてきます。

 

┃文春を後追いするメディア

またもや文春砲の炸裂です。今週発売の週刊文春によりますと・・・」 もはや、ワイドショー番組の司会者が決まって言うセリフです。

 

「一部週刊誌の報道に対し、本紙が取材したところ・・・」 今や、全国紙の記事で普通に見かける書き方です。

 

つまり、独自に取材することなく、すべてが後追いしているに過ぎないということです。これに対して、東洋経済オンラインの山田俊浩編集長はこう指摘しています。

 

本来であれば資本力を持った新聞やテレビが王道の報道をして、ちょっとゲリラ的にやんちゃな報道をするのが雑誌、という関係だった。

それが今や、週刊誌がど真ん中にきていて、新聞やテレビが追いかけるようになっている。かつては想像していなかった、不健全な状況だ。 

 

こういう状態がつづいているうちに、記事を作る際に用いた素材をテレビや新聞に売るというビジネスモデルが出来たということです。

 

文春は、3万円~5万円で映像素材を、音声は10万円という具合に。何度もテレビで流された、某国会議員の「このハゲー」は1千万円の収益をもたらしたようです。

 

つまり、不倫記事で雑誌は爆発的に売れることはないが、取材素材を他のメディアに売ることで利益が出る。素材を買ったメディアが記事と同じ内容を大々的に報じ、テレビは視聴率が取れ、文春はその価値を高める。とまあ、こんな循環です。

 

ちょっと、脱線しますが、2017年11月、文春の記事で名誉を傷つけられたとして、イオンが裁判に訴えた判決が出ました。

 

訴訟を起こして言論や表現を萎縮させるのではなく、良質の言論で対抗することで論争を深めることが望まれる。 (東京高裁判決)

 

テレビや新聞からすれば、「文春が報じた」と言いさえすれば、自ら取材しなくても良いし、リスクも少なくてすみます。

 

「良質の言論」を放棄して、安易に文春に乗っかかる姿勢こそが、「人民裁判」を助長させているいうのは言い過ぎでしょうか。

 

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┃ウーマン「お前らのことだ!」

「メディアは視聴者を映す鏡」といわれます。

 

「不倫なんてどうでもいい」「もっと他に大事なことがあるだろ」と思いながらも、メディアがそこに時間とコストをかけるのは、視聴率がとれるからです。

 

やはり、私たち視聴者の問題でもあると思います。

 

何だかんだ言いながらもワイドショー番組をずっと見続けたからことが、小室さんを追い詰めたことにつながったのではないでしょうか。

 

ここで思い浮かぶのは、ウーマンラッシュアワーが2017年末の『THE MANZAI』で披露したネタです。最後のくだりだけ紹介しておきます。

 

村本:現在、日本が抱えている問題は?

中川:被災地の復興問題

村本:あとは?

中川:原発問題

村本:あとは?

中川:沖縄の基地問題

村本:あとは?

中川:北朝鮮のミサイル問題

村本:でも、結局、ニュースになっているのは?

中川:議員の暴言

村本:あとは?

中川:芸能人の不倫

村本:それは本当に大事なニュースか?

中川:いや、表面的な問題

村本:でも、なぜ、それがニュースになるのか?

中川:数字が取れるから

村本:なぜ数字が取れる?

中川:それを見たい人がたくさんいるから

村本:だから本当に危機を感じないといけないのは?

中川:被災地の問題よりも

村本:原発問題よりも

中川:基地の問題よりも

村本:北朝鮮問題よりも

中川:国民の意識の低さ

(テレビカメラを指さして)

村本:お前らのことだー!

 

以上、『「文春」だけが悪いのか? 小室引退で「文春砲」に大批判』でした。

 

*余 談*

ウーマンラッシュアワーは、このネタのために年末年始のテレビ番組から干されてしまいました。今や、コンビ解散の噂も流れています。

 

河野外相 中国報道官と自撮り くれぐれもご用心を!

        

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河野外相 中国報道官と自撮り

河野太郎外相が、Twitter上で中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官とのツーショット写真を投稿し、話題となっているようです。

 

中国を訪問していた河野外相は、北京で王毅外相と会談した後、自ら華氏に声をかけ、「自撮り」したとのことです。

 

「へえー、この人、笑うんだ」というのが私の率直な印象。

 

華氏報道官といえば、中国外務省のスポークスマンとして、中国の見解を声高に主張し、厳しい表情で日本を批判することが多いからです。強面(こわもて)報道官といえば、華氏をさすくらいです。

中国と日本の反応

中国メディアは、「日本の外相、華春瑩氏と微笑みの自撮りを公開」「すてきな笑顔!」などと好意的に報じています。

 

また、中国の短文投稿サイトでは、「笑うと別人みたい」「中日友好が続きますように」と、これまた好意的な受け止め方がなされています。

 

一方で、日本国内では、例えば、民進党の小西洋之参議院議員がTwitterで批判しています。

相手は中国の報道官に過ぎない。外交交渉の相手ですらない格下の人物だ。ニヤケ顔でツーショットを撮るのは外交ではなく中国への『朝貢』だ。

 

外相自らがこうした行動に出るのは、異例といえば異例。小西議員の批判もよく理解できます。

 

まあ、今回に限っては、中国側の反応も悪くはないようですし、そう目くじらを立てる必要もないかと。ただし、です。

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自撮りにはご用心を!

中国や北朝鮮、ロシアという国々は、ちょっとした事を材料にして自らの正当性を裏付けようとしてきます。その材料の1つが、写真なのです。

 

過去に、日本の国会議員が訪中し、政府高官と意見交換をした後、握手したツーショット写真を撮りました。しかし、握手した2人の背景には中国全土の地図があって、尖閣諸島が中国領として描かれていたのです。

 

そして、「日本の国会議員も尖閣諸島は中国領だと認めている。笑顔で握手しているのがその証拠だ」というように使われてしまいます。

 

また、北方領土の色丹島に旧島民がビザなし交流で訪問した時、船から下りて港を歩いていた彼らの背後の看板には、「クリル(北方四島のロシア語名)は我が領土」と書かれていました。

 

河野氏は日本外交を担う外務大臣です。気さくな性格は結構ですが、あまり不用意に「自撮り」しまくっていると、大きな痛手を受け、ひいては国益を損なうことになりかねません。

 

くれぐれもご用心を!

 

以上、『河野外相 中国報道官と自撮り くれぐれもご用心を!』でした。

 

*余 談*

強面女性報道官といえば、北朝鮮国営テレビの民族衣装を着た人。あの女性も笑うのでしょうか?